第4回 タネなし果実、果菜。
▲タネーラ(タネなしピーマン)栽培風景
こんにちは、社長の伊藤です。
いつも、当社ホームページをご覧いただきありがとうございます。
今日は、タネなし果実や果菜※の話題をお届けいたします。
※果菜とは、キュウリ・ナス・トマト・カボチャなどの野菜に実る食用果実のこと。
自然界から生まれた、タネなしバナナ。
タネは植物にとって、子孫を残す上で非常に大切なものです。果実も、受粉してタネが生まれることで、おいしい可食部が育ちます。そのため、タネなしの果実や果菜は不自然だと考える方もいらっしゃるようです。
しかし、タネなし品種というのは、自然の中から生まれてきたものもあります。
たとえば、タネのあるバナナを食べたことのある方は少ないと思いますが、タネなしバナナは、自然界での突然変異※によりタネができなくなったバナナが大昔に発見され、その変異を基に多くの品種が開発されています。
※突然変異とは、何らの要因で生物の遺伝子が突然変わり、その変化が子孫代々にわたって受け継がれること。
自然的にも人為的にも起こる。
食べるのに一苦労、タネありバナナ。
ですので、逆に野生種のバナナには小石のように固い種が、皮の中にぎっしりと詰まっているんですよ。私は30年ほど前に訪れたスリランカの道端で、タネのあるバナナを買ったことがあるのですが、タネがじゃまで食べるのに大変難儀したことを覚えています。
ですから、もし、タネなしバナナがこの世に生まれていなかったら、現在のように世界中の人に愛されることはなかったでしょう。
タネがないことで、食べやすく、ゴミも減る。
近年、品種改良や生産技術の進歩によって、食べやすくて、ゴミの量も削減できる、様々な種類のタネなし果実・果菜が、デビューしています。柑橘やブドウなどにいたっては、タネなしであることがもはや当たり前になっているほどです。一方で、タネなしスイカのように普及が期待されたものの、栽培が難しいことから、あまり普及しないケースもあります。
個人的には、タネなしの桃やアボカドなどが開発されれば、加工がしやすくなり、今よりもっと売れるようになるのではと思うことがあります。
タネなしピーマン『タネなっぴー』の特徴※。
ところで当社では、5年ほど前より「タネなしピーマン『タネなっぴー』」※の苗を販売しています。
タネなしの秘密は、花にあります。普通のピーマンの場合、花が咲いたときに花粉が出て、それが雌しべに付くことでタネになります。しかし、タネなっぴーは花粉が出ない品種なので、受粉できずタネが入りません。
よって、他のピーマン類が近くにあるとその花粉が受粉してしまい、タネが入ってしまいます。
※世界初のタネ無しピーマン「タネーラ」(商品名:タネなっぴー)
※タネなっぴーの苗は、毎春、ホームセンターや園芸店でも販売されています。
タネなっぴーをご賞味ください。
タネなっぴーは、「遺伝子組み換え※やゲノム編集※で作ったのでは?」 と聞かれることがありますが、タネなっぴーは15年近い歳月をかけて交配により生まれたものです。
※遺伝子組み換えとは、たとえば動物や細菌の遺伝子の一部を植物に組み込むといった幅広い生物種間で遺伝子の性質を直接組み替える技術。
※ゲノム編集は、他種の遺伝子を組み替えずに、遺伝子情報を直接書き換えて遺伝子の性質を変える技術。
https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/pdf/about.pdf
お陰様で、「タネなしピーマン『タネなっぴー』」は、調理がしやすい、ゴミを減らせるといったメリットだけでなく、一般的なピーマンに比べ苦味が少なく、肉厚でおいしいと好評を頂いております。
まだ、産地が限られているので、食べたことがない方も多いかもしれませんが、徐々に普及しておりますので、スーパーなどで見かけることがありましたら、ぜひご賞味いただければうれしく思います。
タネなっぴーのタネ、絶賛販売中。
タネなっぴーのタネは、当社オンラインショップにて販売しております。