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植物の分類について

植物の分類について

「1年草」「多年草」「宿根草」ってよく聞くけど、どういう意味?

みなさん、花壇に植える苗をお店に選びに行ったときに、よく「1年草」や「多年草」など書いてある看板を見たことはありませんか?
業界ではとても基本的な言葉なのですが、ビギナーの方々には意外とわかりづらい言葉なのではないでしょうか。
ここでは、「1年草」「2年草」「多年草」「宿根草」「球根」の意味と違いをお伝えしたいと思います。

◇1年草

読んで字の如く、タネから芽が出てから花が咲き、タネが出来て枯れる。このサイクルを1年で回す植物です。つまり、春や秋に植えて、花を楽しんで、枯れたらそれで終わりの植物です。
多くの花壇苗はこの1年草に分類されます。特に、日本のように夏が暑くて、冬が寒い地域では、暑さと寒さのどちらかには強くても両方に耐えられる植物は多くありません。
逆に、暑さだけであったり、寒さだけであれば耐えられる植物は、地域によっては2年3年と生きていくことが出来ることもあります。
原産地では、多年草として扱われていても、日本では1年草として扱われている植物も珍しくありません。

◇2年草

発芽~生育~開花~結実~枯死のサイクルに2年必要な植物のこと。多くの場合、1年目は株の生育の期間として過ごす。この場合、1年目に開花することはありません。
2年草の多くは、開花するためのスイッチを入れる作業が必要になります。春から夏に向けて種まきをして、夏・秋から冬にかけて生育し、真冬の寒さを経験することで、開花のスイッチが入り、春の暖かさで開花します。この冬の寒さを経験させることを「春化」と呼びます。
ナノハナは、冬の寒さで春化され、春に綺麗な花を咲かせます。野菜のダイコンやネギなども、春化を経験することで春に花が咲きます。

◇多年草

多年草は、株の生育から開花・結実までのサイクルを毎年おこなうのが特徴です。
つまり、条件がよければ、毎年タネが落ちて、毎年新しい株が増えていきます。もちろん、最初に植えた株も条件が良ければ枯れることはないので、どんどん増えていきます。
一回買えば複数年楽しむことが出来るのでお得です。ただし、地上部が枯れることがないので、花壇の中の変化は少なくなりがちです。

◇宿根草

宿根草は、多年草のくくりの中の一つで、冬などの条件の悪い時期に地上部が枯れて、土の中の根や茎だけの状態で休眠し、翌春に気温が上がってくると芽を出してきます。冬の間は、地上部が枯れてしまうので、花壇は寂しくなってしまいます。ただ、雪の積もる地域では、冬の間は雪で花壇を楽しむことができないので、宿根草を植えて、雪解けとともに土から出てくる芽を楽しむことが出来ます。
宿根草にも、耐えられる温度や条件に差があって、地面が凍ってしまうと翌春に芽が出てこなかったり、地上部が枯れる前の状態が良くないと越冬できないこともあります。宿根草を植えるときには、植える場所の温度条件と植える宿根草の耐えられる温度を調べると間違いが起こりにくく、おススメです。特に、宿根草は、苗を作るのに時間がかかることが多く、苗の価格が高いことが多いです。

◇球根

ユリやチューリップのように、根や茎や葉などを変形させて養分を蓄える植物のことです。多くの球根植物は、秋に植えこんで春の暖かさで芽をだして花を咲かせます。
種類によりますが、比較的深く植えることができるので、秋に球根を植えこんで、その上に秋用の花壇苗を植えこむことで、球根の芽が出てくるまでは秋冬花壇を楽しみ、球根の芽が出てきたら春の到来を楽しむことができます。

「1年草」「2年草」「多年草」「宿根草」「球根」の違いはわかりましたか?
花壇苗を分類するときに、種子系品種や栄養系品種という言葉を聞いたことがありませんか?
実は、発芽から枯死までの生活期間で分けるのではなく、個体を増やす方法で分けることも出来ます。

◇種子系品種

主に種子で増やした品種のことです。一度に大量のタネを採り、条件を整えた環境下であれば、タネの状態で保存ができるため、苗の単価を下げることができます。そのかわり、世代を進めることになるため、同じ株から採れたタネでも性質に少しバラつきがあります。

◇栄養系品種

挿し芽や挿し木、株分けなどで増やした品種のことです。これらの方法は、コピーを作る作業なので、一度に大量に増やすことが出来ません。そして、基になる植物を生かした状態で維持していないといけないので、品種を維持するための設備が必要になり、お金がかかります。そのかわり、常に同じ個体を生産することが出来ます。また、新しい品種を作り出すためにかかる時間が種子系品種に比べて、とても短いことが大きな特徴です。

お庭やベランダでガーデニングを楽しむときにどんな植物を選ぶかで作業方法や楽しみ方が変わります。
ぜひ、自分なりに調べて、自分なりの楽しみ方で楽しんでください。もし、わからないことがあれば、お店で店員さんに聞いてみてください。園芸店の店員さんは、とても詳しいので、きっと皆さんにあった楽しみ方を提案してくれます。

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