- 2024.06.10
- 歴史
メロンの進化 ~昭和から始まる日本のメロン革命~
↑クインシーメロン
日本のメロンは昭和の時代に大きく発展を遂げました。当初、一般庶民が食べていたのは主にマクワウリでしたが、1962年(昭和37年)に(株)サカタのタネが「プリンス」メロンを発表しました。「プリンス」メロンは、日本のマクワウリ「ニューメロン」にフランスの「シャラントメロン」(オレンジ肉色で香り甘さが良い)を交配させたハイブリッド品種です。マクワウリのように栽培しやすく、西洋メロンのように美味しいとされ、瞬く間に全国に普及し、一般の人々にも手軽に楽しめるようになりました。
その後、多くの種苗会社が競い合い、さまざまな品種が登場し、メロンの戦国時代となりました。再び(株)サカタのタネが「アンデス」というネット系メロンを発表すると、本格的な大衆向けネットメロンの時代が到来し、メロンの消費が一気に拡大しました。
当時、メロンの主流は白肉や緑肉でしたが、赤肉(オレンジ)メロンは臭みが強く、棚持ちが悪いとして敬遠されていました。そのイメージを覆す「クインシーメロン」を当社(横浜植木㈱)が発表しました。
この品種は、従来の赤肉メロンとは異なり、糖度が極めて高く、保存性にも優れていたため、新しい市場を開拓しました。発表当初、赤肉メロンは年配者からカボチャをイメージすると言われ、批判的な言葉もありましたが、圧倒的な高糖度と棚持ち性で信頼を築き、発表から36年経った現在でも多くの支持を受けています。
赤肉メロンはベータカロテンを多く含む機能性に富んだフルーツであり、メロンの半数近くが赤肉となっています。ちなみに、クインシーメロンは、女王という意味の「Queen」と健康的という意味の「Healthy」を組み合わせてクインシーと名付けました。
「メロンのことを詳しく知ろう!」シリーズ第3弾は、メロンのカテゴリについてご紹介しています。
ぜひ、ご一読ください。
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